スーパーの試食

先日、私は仕事帰り、スーパーに買い物に行った。晩酌のビール、つまみ、夕飯のおかずなどを買うためだ。食品売り場をウロチョロしていると、一角でおばちゃんが豚肉を売っていた。特売で一枚百円の味付け豚肉だ。おばちゃんはそれを三、四分割して、焼いて試食に出していた。
私は試食があるとだいたい食べる。(特に肉!何故ならばタダだからだ。(当たり前だが!)
おばちゃんが焼いている様なシチュエーションだとなかなか食べにくいのだが、私は最近自分で弁当を作っているので即買おうと思った。だから今日は食べるのに引け目ない。
いつもならば一切れで我慢の所を、一切れ食べて「まあまあかな、、」二切れ食べて「買ってみてもいいかな、、、」みたいなプチ演技をして食べた。うーん、うまい。
よし、ここいらで買おうかな、と思った時、おばさんが他のお客さんに「は〜い、どんどん食べてね〜!」と言ったのだ。
それを聞いた私はよ〜し、もう一切れと思ったのだが、これがマズかった。
豚肉を焼いているフライパンの横にも何切れか置いてあった。豚肉には何種類かの味付けがあったので、別の種類かと思って、それを食べたのだ。「パクッ、ムニュムュ。」しばらくして、なんかこのムニュムニュ感はおかしい、しかもやけに冷たいのだ!
ナント!それはこれから焼く肉だったのだ!つまり生肉だ!
豚肉は菌があるため、良く焼けと言われてるではないか。これは飲み込むわけにはいかねえ。かと言っておばちゃんの前で吐き出すのもバツが悪い。
私はしばらく売り場を離れ、ウロウロしながら考えた。すると名案が浮かんだ。
先ほど言った通り、最近弁当を持ち歩いているので、今日の空き弁当があるではないか。私は誰も見てないか確認しつつ、空弁当にペッと吐いた。フ〜ッ。一件落着。
その後、何事もなかったように、豚肉、つまみ、ビールを買って帰路についた。
家に帰って早速つまみのいんげん豆を茹でるべく、お湯を沸かした。
すると私は気付いた、ある事に。
そう、弁当箱に先ほどの豚肉があるではないか。一度口に入れたものなので少し迷ったが、こうなったのも何かの縁、豚肉をお湯に入れてついでに茹でた。・・普通にうまかった。